ナイチンゲールのプロフィール
- 誕生:1820年5月20日
- 出身地:イタリアフィレンツェ
- 別名:近代看護教育の母・看護師の祖
- 1854年:クリミア戦争。
- 1860年:ナイチンゲール看護学校設立
- 1860年:看護覚書
- 1863年:病院覚書。
- 1907年:女性として初めて有功勲章を授かる
- 死没:1910年8月13日(享年90歳)
主な業績
- 専門教育を施した看護婦の養成の必要性を説き、ナイチンゲール看護学校を創設した。
- クリミア戦争に従軍し、兵舎病院の衛生改善に努力した。現地での革新的な衛生管理・健康管理の徹底により兵士の死亡率を40%超→2%と大幅に改善。
- 陸軍の衛生改善に協力した。
- イギリスにおける統計学の基礎を築いた。
- 看護にはじめて統計学を持ち込んだ(さらに専門家でない女王が見やすいようにデータの視覚化を行った)。
- 著書「看護覚え書」は、広く看護教育の場では古典として読み継がれている。
- 著書「病院覚え書」には、患者一人の療養空間として相応しい面積、ベッドの高さやベッドとベッドの間の距離についても、理想的な計算値が述べられている。
人間とは
病気は回復過程であり、人間は環境を整える事で、自己の持つ治癒力を最大限に引き出すことができる。
環境とは
個人の生命と発達に影響を及ぼす外的条件。
- 物理的環境(新鮮な空気、光、清浄な水、適切な排水、暖かさ、清潔、静けさ、適切な食事など)
- 精神的環境(コミュニケーション、思いやりなど)
- 社会的環境(疾病に関するデータなど)
健康とは
健康とは、良い状態を指すだけではなく、我々が持てる力を十分に活用できる状態、良くなるという回復過程を指している。
また「変化があることが回復の手段」と説いている。
看護とは
看護の目標は、環境を操作し、自然が最も働きやすいような状態に病人を保つこと。新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さなどを適切に整え、これらを活かして用いること、また食事内容を適切に選択し適切に与える。
これにより、看護の回復過程が妨げられるのを防ぐ、回復過程を促進させるための最的な条件を提供する事。
ナイチンゲールの看護論
ナイチンゲールの看護論を一言で説明することは不可能であるが、ナイチンゲールは「看護という言葉しかないから、看護と言ってる」というようなニュアンスの一節があった。
我々が思うよりも、もっと大きなスケールなのだろうと思う。
看護ではなく、もっと別の何か、言葉があればそちらを使っているのかもしれない。
ポイント!
ナイチンゲールは環境を整える事で、人間の持つ治癒力を最大限に引き出すことに焦点が置かれている。(もちろん、それだけではない。)
治癒力を引き出すためには、どのように環境を整えればよいか?
どのような環境が人間(患者)に適しているのか?
また、健康(回復過程)にはどのような環境(ケア)が必要なのか?
それはどのように決定するべきか?
患者を取り巻く環境を整える、またこれらを実施することが「回復過程を促進させるための最的な条件の提供」であり、ナイチンゲールの看護である。
あなたの声が聴きたい(NHK)の事例に当てはめて考えてみる
【北山さんの事例】
ナイチンゲールの理論に当てはめた時、どのように環境を整えていたかに注目した。
まず全身状態の観察。顔に氷を当てる、味覚を確認するなど残存機能の確認から始まった。ナイチンゲールも「観察」という部分の重要性にも触れている。患者の状態や残存機能を把握することで、適切な環境を提供しケアを行う事ができる事から、あらゆる角度からその必要性を説いている。
例えば、食事のシーンがあったがまずは一口から始めるという計画の立てかた。食事は可能か?何から食べさせるべきか?などを観察を行い、計画・実施している。
ナイチンゲールは「病人食は科学ではなく、看護者が決めなければならない」(看護覚書より)と説いており、患者にあった食事を整える、という環境から観察の重要性が看護として当てはまっている。
もちろん、そこには回復を視点に残存機能を低下させない事などのエビデンスの元に実施されている。
食事は可能であるかどうか、残存機能を確認す必要がある。それは即ち、環境を整えるという事に繋がるのだ。
また、ケアの中に車椅子に移乗し座位を取らせていた。
座位は頭を高くすることで脳を刺激するというエビデンスの元に行われているケアの1つで、回復過程または、ナイチンゲールの言葉にある「持てる力を十分に活用できる状態」を促していると言える。
ビデオの中では「独自の看護」と言われていたが、食事同様に「変化が回復の手段」であり、そのすべてが環境を整える事で患者の治癒力を最大限に引き出していると言える。
以上がナイチンゲールの理論と当てはまる。
【pickup】もうちょっと詳しく!
個人の生命と発達に影響を及ぼす外的条件とは?
とても、難しい文章でしたのでまずは言葉の意味から調べてみました。
- 個人=患者
- 生命=生きて活動する生物が生き続ける、根源の力
- 発達=からだ・精神などが成長して、より完全な形態や機能をもつようになること
- 外的条件=外部からもたらされる影響
正直これでも難しい。
言葉をわかりやすく言い換えてみると・・・
「患者の活動力・回復に影響する環境」
ではないか?と考えました。
北山さんの事例に当てはめると。
観察や計画を行う事の全て。座位や食事などの、日常生活動作の援助。または生活リズムやその行動を促す事など。これらのエビデンスに基づいたケアが生命と発達に影響を及ぼす、言い換えると「患者の活動力・回復に影響する環境」であり、回復という人間の治癒力を引き出している。また、友人からのテープを聴くことや、家族の意思をくみ取ることも、直接的ではない部分もあるが要因の1つになっていると考えました。すなわち、個人の生命と発達に影響を及ぼす外的条件であると当てはめます。
- 観察・計画・残存機能の確認など
- 座位などの生活行動の援助
- 食事の援助
- 友人からのテープなど
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